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2024/11/24 10:00 |
●ジョシュア→グラビリで学園生活(後)
 ジョシュア視点でグラビリな、学園パロみたいなバトン回答です。詳細は前編を見てね。



▼指定型学園生活バトン
《指定:グラハム》 『』の中には指定された人物名を入れてください。
あなたは『グラハム』と同じクラスになりました。


 超前提:「あなた=ジョシュア」です。


+



7.服装検査、『グラハム』は何かに引っかかったようです。一体どこが引っかかった?

 制服がやたらだぼついているから注意を受けたらしい。奴は成長期だからこれから伸びる、などとのたまったらしいが、俺にはそうは思えない。検査担当の教師もそう思ったらしく笑っていたが、口には出していなかった。賢明な判断だ。



8.修学旅行です。『グラハム』と同じグループになったあなた、どこに行ってどんなコースで回る?

 誰もそんな希望など出していないのに、どうして奴と一緒に回らねばならないのか。担任には「グラハムを頼む」などと云われるのはなぜだ。奴はあれでも学級委員だろう!?
 ……と、出発前までそう思っていた俺だったが、担任が心配していた理由が今ならばわかる。自由行動の時間になったとたん、奴はグループを抜け出しやがった。あまりに素早い、いっそ鮮やかなまでの行動力にグループの他の奴らは気づかなかったが俺は気づいた。先の担任の言葉もあって俺は思わず奴を追ったのだが、奴の向かった先はなんとビリーのいるところ、だった。
 他のクラスのグループに混じって――というか、行く先は同じなのにビリーだけをこちらに引き込んだ形で俺たちは自由時間を過ごしていた。クラスの連中の元に戻ったとき、同じグループのひとりにお疲れと肩を叩かれ俺は悟った。奴のこの行動は、担任もクラスメイトも予測済みだったのだ。予測はしていても止められないとわかっていたから、だから担任はそのあたりをよく理解していない俺に白羽の矢を立てたのだ! くそ、まんまと嵌められてしまった。……まあ、ビリーと同じ時間をすごせたのが不幸中の幸いというところだろうか。



9.修学旅行、『グラハム』の部屋に遊びに行ったあなた、『グラハム』は一体何をしていた?

 遊びに行くもなにも、奴と俺は同じ部屋だ。とてつもなく不本意だがな。
 シャワーを浴びて部屋に戻ると、なぜかビリーがいた。遊びにきてくれたのだろうか――と思ったのは一瞬のことだった。俺がシャワールームから出るなり、ビリーは奴に連れられて部屋を出て行ってしまった。しかも奴に腰を抱かれて。部屋を出る瞬間の、奴の誇らしげな顔が忘れられない。野郎、覚えてろよ……!



10.『グラハム』はクラスではどんな存在?どんな人と仲が良い?

 奴は学級委員だ。それ以上でもそれ以下でもない。多分。
 仲が良いのは……思えば、そういえるような人間はクラスにはいないな。なにかと仲が良いのは悔しいがビリーだと認めざるを得ないが、奴はクラスの誰とでもそれなりに仲良くという程度の付き合いしかしていないようだ。

 ……ああ、もうひとつ不本意なことを付け加えるなら、クラスメイトに同じ質問をしてみたら即答で「お前だろ?」と云われた。なにを馬鹿なことを。お前の目は節穴か!と云ってやったが、そいつはただ笑っていた。ああ、実に不可解で不愉快だ。



11.『グラハム』が先生に叱られていました、一体何をしたんだと思う?

 授業中、突然教室から飛び出した。しかも飛び出し方が尋常じゃない。窓枠を蹴って校舎のすぐ横にある木に飛び移って下に降りたのだ。そうして奴が向かった先は校庭で、そこにいたのはビリーのクラスの面々だった。ビリーは、クラスメイトから外れた場所でなぜか転んでいた。
 どうやらグラハムは、授業中に体育の授業ため校庭に出ているビリーをずっと見ており、穴だか石だかに躓いたビリーを見ていてもたってもいられずに教室を飛び出しらしい。
 事情はあとから聞いたわけだが、一部始終を見ていた俺からすれば馬鹿な男だとしかいいようがない。



12.『グラハム』と二人で下校しました、一体何の話をする?

 ……別に、なにも。俺は俺で自分の帰る方向に歩くだけだし、あいつはその間勝手に喋っているがたいした会話があるわけでもない。まあ、俺が転校してきた当初に比べたら会話らしい会話も多少はするようにはなってきたが、盛り上がるようなことはない。多分。



13.『グラハム』と二人で下校、寄り道をしようと誘われました、どこに行きますか?

 奴に連れて行かれたのはビリーの家だった。俺だってよく知っている、ビリーの家だ。そういえばこの街に戻ってきてから彼の家にやってきたのはまだ二度目だ。一度目は、引っ越してきてすぐに家族で挨拶に来た。あのときは玄関先でビリーの両親に挨拶をしただけで、ビリーには会えなかった。その後、ビリーとは学校で会えるからそれだけで満足していたような気がする。
 ああ、ビリーの家だ。昔はこのすぐ近くに俺の家もあって、互いの家を行き来するのがしょっちゅうだったからよく覚えている。俺のいた家はもう他人のものになってしまったけれど、ビリーの家は昔の面影そのままに残っている。懐かしい。とても懐かしく、嬉しいことだ。
 俺たちを出迎えてくれたビリーの母親は、俺がグラハムと一緒にやってきたことに驚いたようだった。この家によく足を運ぶらしいグラハムと、昔よくこの家に通っていたが今は寄り付かなくなった俺が並んでやってきたのだ、確かに驚くだろう。けれど彼女はあたたかく俺たちを迎えてくれて、俺は内心ほっとした。ビリーもまた、かつてと同じように俺を迎えてくれた。変わらない時間がそこにあった。グラハムがいるという大きな違いはあれど、そこにあるあたたかさは昔とひとかけの変わりもないものだった。



14.突然『グラハム』が転校する事に!! どんな理由で、どこに?何て言葉をかける?

 あいつが転校するという。クラスメイトの会話に耳を傾けてみると、どうやら俺と同じように親の転勤が原因らしい。けれど事実を告げたあいつは誰よりもあっさりとなんでもないことのようにそれを語っていた。悲しくはないのか。ひとりきりで、ここを離れて。このクラスを離れて。ビリーとさえも離れてしまうのに。
 けれどあいつは笑っていた。最後まで笑っていた。「私はまたすぐに戻ってくる」、そう云って笑っていた。俺はあいつの見送りのために、空港まで足を運んだ。もちろん個人的に別れを告げたかったわけじゃない。クラスの連中が俺に行けというから、不本意ながら代表として仕方なく、だ。当然のようにビリーも見送りに来ていたが、彼らは思っていたよりも――というか予想外にもあっさりと別れの言葉を交わしていた。笑顔さえ浮かべている。全く毎度のことだが、こいつらの関係というものがわからない。わからないが、まあ、ビリーが泣かないならそれでいいと思う。ビリーが笑っていられるのなら、俺はそれで充分だ。

 そうしてあいつは去っていった。意外なほど短い付き合いとなったが、その間にあったことといえば無駄に濃厚でとんでもないことばかりだったように思う。あの短さで、三年くらい軽く過ごしているとさえ思えてしまうのだから。



 そのときの俺は、まだ知らない。いや、どうして想像することができるだろうか。一年後の今ごろ、奴が本当に、言葉通りに戻ってくるなどということが。ようやくビリーと同じクラスになり平和な日々を送っていた俺の前に、あいつは平然とした顔で現れた。そうして事情を知っていたのか苦笑するだけのビリーに抱きついてキスをした。俺の目の前で、だ。そうしてひとしきりキスをして満足したのか、ビリーから顔を離して俺を見たグラハムは、得意気な顔で笑ってみせた。俺は奴を殴った。渾身の力で殴った。ビリーを抱き締めていたままの格好だったから殴るのは簡単だった。ビリーの腕の中で、奴は心底痛そうな顔をしていたがおもむろに笑い出した。身体に力が入らないのか、ビリーにかきついたままの、なりふり構わない大笑いだった。あんまりな姿に俺も笑った。ビリーも笑った。胸の奥にあったほろ苦いものは、見なかったふりをした。

 俺たちの騒がしい毎日が、また始まろうとしていた。














15.お疲れ様でした。このバトンを10名に回してください。『』の指定も忘れずに!

 ……やー、超楽しかったです。多分グラビリどころかユニオンやってる人でもほとんどいませんよジョシュア視点でグラビリありの学園パロやるなんて。義兄弟でさえオンリーワンの称号をいただいたくらいですしね!(笑)(幼馴染設定っぽいのはちらほら見かけるような気がするけど)
 読み返してみて、このジョシュア若干ツンデレ入ってるんじゃないかと思っていたら、前編公開直後に拍手でツッコまれてて笑いました。やっぱりツンデレだったんだこの子!って(笑)

 流石に内容が内容なうえに勝手に攫ってきたものなので、ここでゴールとさせていただきます。でも面白いから、こんな感じでやってみようかなと思った人はやってみるといいよ。喜んで拝読させていただきますので!
 てなわけで、このバトンはここまで。あさひさんありがとうございましたー!
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2008/02/19 00:40 | Comments(0) | 小ネタ小話

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