とってもお久し振りというか、多分もう覚えてる方もいらっしゃらないんじゃないかと思うのですが、グラビリ義兄弟シリーズの片割れことグラハム父子×ビリー母子ネタです。実に6ヵ月半ぶりの更新になります。でも、まだ本題にさえ入っていない気がするようなしないような……。
グラハム父とビリー母が結婚してグラビリが兄弟になったよ!というネタです。15歳グラハム×19歳ビリーです。詳細は「義兄弟グラビリ」カテゴリ内の、グラハム父子設定を参照していただけたらと思います。あの頃からほとんど設定変わってないから(苦笑)
グラハム母子設定に比べると、まだ展開は早そうな感じですこっちのグラビリは。内容が軽いのと、グラハムが積極的なせいかな。ある意味では、書いてて非常に気が楽だ(笑)
グラハム父とビリー母が結婚してグラビリが兄弟になったよ!というネタです。15歳グラハム×19歳ビリーです。詳細は「義兄弟グラビリ」カテゴリ内の、グラハム父子設定を参照していただけたらと思います。あの頃からほとんど設定変わってないから(苦笑)
グラハム母子設定に比べると、まだ展開は早そうな感じですこっちのグラビリは。内容が軽いのと、グラハムが積極的なせいかな。ある意味では、書いてて非常に気が楽だ(笑)
ジョージ・エーカーとリナ・カタギリが子連れ同士での再婚をしたのが一ヶ月前のこと。
本来の予定であれば、籍を入れたあとすぐにリナと息子のビリーが共にエーカー父子のマンションへと引越し、両親の予定に合わせて身内だけの結婚式を開く予定だった。
が、元よりワーカーホリックな二人のこと、想像はしていたがやはり次々入る仕事のせいで、リナたちの引っ越し予定はひたすらに延期となり続けていた。
確か、一番最初の予定日は三日前にジョージの海外出張が決まってしまい流れたのだ。さすがのジョージもその命令は断固拒否したらしいが、上司のみならず上役にまでも泣きつかれてしまえば受けずにはいられない。
ジョージの出張中であっても引越しをすること自体は可能であったが、そこで駄々をこねたのはジョージ本人だった。
曰く、折角新婚なのだから愛妻と新しい息子を自ら出迎えることができなければ引越しの意味がない、とか。
結局ジョージが出張から帰ったのちも、今度はリナが新規プロジェクトに追われ休日を取ることもままなくなってしまい、そのままひと月が経ち現在に至る。
「……こうなったら、もうあなただけでも先に引っ越してしまうというのはどうだろう?」
「そういうわけにはいかないよ」
休日ゆえの賑わいを見せる喫茶店の一角で、ビリーの義弟となったグラハム・エーカーは心底面倒くさそうな顔をしていて、そんなグラハムにビリーは思わず苦笑した。
ビリーとグラハムは、仕事に追われ家に寄り付かない両親に代わってこうして毎週のように顔を合わせては両親や自身の予定の調整と打ち合わせをしていた。
メールや電話で連絡を取り合う数もそれなりで、ひと月前に初めて顔を合わせたというのに、まるで長い付き合いをしている友人同士のような関係となっていた。
いや、毎週のように会うという事実だけを取ればまるで恋人同士のよう、だろうか。といっても、もうしばらくしてビリーたちの引越しが完了すれば二人の関係は血の繋がらない兄弟、というところに落ち着くのだけれど。
「奴の我侭など気にする必要はないと思うが……」
ぶすっとした顔で零すグラハムに、ビリーは思わず苦笑する。よく似た親子のくせに、否、似ているからだろうか、グラハムはわざとジョージを嫌うような素振りを見せる。
愛しているが故の毒を吐いているのが明白だからこそ、ビリ―はそこにグラハムの愛らしさを見るのだけれど。
「結婚したのは母さんたちだし、それになにより――ジョージが悲しむからね」
むくれる姿も可愛い、などと云ったらきっと怒るのだろう。この、4歳年下の弟は。
「あなたがそうしたいと云うなら構わない。が」
「が?」
満席で混雑している休日の喫茶店。向かいの席に座ったグラハムは、左手をそっと伸ばしてビリーの頬に触れ、
「私は少しでも早く、あなたたちと共に暮らしたいと思っている。それを、参考程度でも考慮してくれると、嬉しいのだが」
優しく微笑まれ、甘く囁かれる。顔の体温が若干ながら上がるのを感じていた。
これではまるで口説かれているようではないか。彼は、意中の女性に向かってもこんな風にとろけるような表情で愛を囁くのだろうか。
疑問に思いながらも、けれどその様が容易に想像できて、かといってなぜ自分が現在こんな状況に陥っているのかは全く理解できないままに、ビリーはただただ首を縦に振ることしかできなかった。
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