夢のあとさきblog

　書きたい書きたいと騒いでいた、元パイロットグラハム×機械人形ビリーネタの序章というかお試し版みたいなもの。グラハムさんの独り言なので、実際の本編はもっと違う感じ…だと思います。ポップでキュート（古）な話にしたいんだよ本当だよ…っ！

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　人形を預かった。人間の子どもの形をした、人間の言葉を喋り人間のような思考をするという機械仕掛けの人形だ。
　それをある老人から預けられて現在に至るまでのことはひとまず置いておくとして、とりあえず今、私の前に機械人形がいるという事実だけがそこにあった。
「名前は？」
「先ほどエイフマン教授にご説明いただいた通りですが」
　子どもの顔をして、大人のような口をきく人形。顔のベースは東洋人だろうか、いくらか黄みがかった肌に凹凸の少ない顔立ち、そして茶の髪に黒い瞳を持つ、この辺りでは珍しいがそれは本当に人間の子どものような人形だった。
「私は君に、訊いているのだよ」
「……ビリーです」
　私の問いに渋々といった風に答える姿は、一見すると本物の人間の子どものようだった。
　そう、本当に一見すると生身の人間としか思えないこの子どもが、人間の英知の結晶だというのだから世界というものはわからない。
　ビリーという名を持つ、人間のような機械人形。
　その日から、私と彼との奇妙な生活が始まることとなる。