というわけで、以下はグラハムとイノベイターの関係その他について考えたことをつらつらと。あと自分用にグラハムの台詞も書き出してみた。
*
・グラハムはガンダム&CBによって歪められた。その自覚はある。
・リボンズ(イノベイター)の傀儡である自覚はある。
・刹那と戦うことだけを求めて生きてきた
グラハムは世界を裏で牛耳っている存在がイノベイターということは知っていて、それがアロウズすらも操っていることは知っている。
けれど、イノベイターがイオリアによってつくられた存在で、イノベイターのリーダー格であるリボンズがCBの核であるヴェーダを掌握していることは知らない、んだよね、きっと。イノベイターがCBの一部(というか大元)であるということまでは知らない、よね。知ってたらあんなこと云わなし、こんなことしてないよね。
それもこれも全部知っていてたうえで刹那との戦いだけを望んだというのなら……まあ、その場合は憎しみの全てを刹那に集約させたってことになるわけですが。ていうか、司令や大統領じゃあるまいし、そこまで詳しいことを知らされる立場ではないよなぁ…。
カティは小説版で、独自行動を許可されているライセンサーの存在そのものが軍の在り方を脅かすものではないかと危惧していた。けれどおそらく、ブシドーを連れてきてライセンスを与えたのはカタギリ司令で。かつてのユニオンのエースたるグラハムに、元ユニオン司令であるカタギリ司令が特別なライセンスを与えるのはまあ不思議な話じゃない。
で、なんでグラハムにライセンスを与えたかというと、結局はその後イノベイターをライセンサーとして送り込むためでしかないわけですよね。グラハム・エーカーという卓越した能力を持つ軍人にライセンスを与えることでライセンサーという先例を作り、のちにイノベイターを送り込みやすくした。それをカタギリ司令は知っていたし(むしろイノベイターの介入を疎んでいた気配があった)、グラハムも自覚していた。――そうしてカティの危惧は、現実のものとなった。
……ああ、うん、そういうことかあ……。
アリーとはまた違う意味で「使える人間」として生かされて、そしてイノベイターの介入を円滑に進めるためにアロウズにやってきたグラハムことミスター・ブシドー。おそらくはかつての仲間であるビリーとの連絡もとれないまま。かつての戦闘でグラハムという人間は死んだと思っている彼は、きっと自ら仮面をかぶり異様な格好をして生きてきたんだろう。もしかしたらイノベイターからの情報で、いつか再びガンダムが現れることは知らされていたんじゃないかな。だからただガンダムを待った。そうして、――「そうか、現われてくれたか」。さらに彼は、ガンダムと初めて戦ったときに発した戯れにも似た言葉を再び口にした。「自分が乙女座であったことを、これほど嬉しく思ったことはない」 このとき、グラハムの中でガンダムへの思いは愛でも憎しみでもなく、かつて感じた運命でもなく、ただガンダムと戦う宿命であったとそれだけだった。
1話見返して見たら、なんか色々繋がってきたような気がしてこう、ぶわっときた。ような気がする。
世界を歪ませ、空を穢し、自分の心を奪い、グラハムという存在を殺したガンダム。そうして生き残ってしまったグラハムは、ブシドーとしてただガンダムと戦うためだけに生きることを決めていた。イノベイターの傀儡であってもいい、全力でガンダムと戦えるのならばなんでもいい。
……このあたり、「生きるためならなんでもする」ネーナとかぶりますね。グラハムの場合、目的が「ガンダムと戦うこと」であり、そのために死にそうになっても死んでも構わないってあたり色々逆転していますけれど。
セカンド小説1巻を買ったこともあり、1話からブシビリ関係中心にピックアップしながら見てみたんですが、なんかもう色々滾ってきまし…た…。あわわわわ…。
#04「その剣さばき、あの時の少年か! なんという僥倖……生き恥を晒した甲斐があったというもの!」「反政府組織が……私の道を阻むな!」
「君はずっと前から、僕を利用していたんだね。そして踏み躙ったんだ、僕の気持ちを……」
#05「断固辞退する。私は司令部より、独自行動の免許を与えられている。つまりはワンマンアーミー。たったひとりの軍隊なのだよ」「免許があると云った」
「私は抜けさせてもらう」「興が乗らん!」
このあたり、イノベイターの傀儡たるグラハムの最大限の抵抗だったんだろうなぁと思わずにいられない。本来のグラハムの性質ならアロウズになんて絶対にいたくないし、こんなことするどころかなにがあろうと止める側に回っていただろうに。
#06「肩に動力のある、二個付きのガンダムは私が相見える。干渉、手助け、一切無用」
「射撃も上手くなった。それでこそだ少年!」
「手を抜くか……それとも私を侮辱するか!」
……あれ、おかしいな7話が見当たらないんだけど……消しちゃったんだっけ……?(泣)
#21
「4年ぶりだな、少年」
「あの男は」
「ふっ」
「貴様……」
「少年、ガンダムを失いたくなければ、私の望みに応えてほしい」
「なにが望みだ」
「真剣なる勝負を」
「なにっ?」
「この私、グラハム・エーカーは、君との果し合いを所望する!!」
「そうまでして決着をつけたいか」
「無論だ。私の空を穢し、同胞や恩師を奪い、フラッグファイタ―としての矜持すら打ち砕いたのは他でもない、君とガンダムだ! そうだとも。もはや愛を超え、憎しみも超越し、宿命となった!」
「宿命?」
「一方的と笑うか? だが、最初に武力介入を行ったのはガンダムだということを忘れるな!」
「(この男もまた、俺たちによって歪められた存在……)わかった。果し合いを受けよう」
「全力を望む」
「これが私の望む道――(仮面装着)修羅の道だ!」
『ダブルオーライザー! 目標を』
「マスラオ改めスサノオ! いざ尋常に」
『駆逐する!!』
「勝負!!」
「全力だといったはず!」
「生きてきた、私はこのために生きてきた。例えイノベイターの傀儡に成り果てようとも、このブシドーだけは!!」
「そうまでして!」
『刹那!』
「戦いに集中する! ――このままでは」
「埒が明かぬ」
「ならば!」
「さすれば!」
「トランザム!!」
「トランザム!!」
「うああ!」
「うおお!」
「ついに、覚醒が……」
「ん……ここは一体……。私は既に涅槃にいるというのか……」
「違う」
「少年」
「ここは、量子が集中する場所だ」
「なにを世迷言を」
「わかるような気がする」
「!」
「イオリア・シュヘンベルグが、ガンダムを、いや、GNドライヴを作ったわけが」
「なに!?」
「武力介入はこのための布石……イオリアの目的は…人類を革新に導くこと。そう、俺は――変革しようとしている」
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