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2024/11/23 00:11 |
明日を超えたら、その向こうに
 インテについてですが、ええとこれから準備をするんですが多分既刊は一通り持っていくと思います。いかん始発バスの予定なんだった。金曜夜にばたばたしたくないから、今日中にある程度はなんとかせんとな……。


 ええと、最近妙なパロを連発してて流石にちょっとどうよ自分、と思っているので、ネタを探してきました。こう、前に書いたネタでなんかいいのないかなーって。書きかけのものもフル活用ですよ! なんたって貧乏性ですからね!
 というわけで、『さよならを教えて』の没シーンを発掘したので晒してみます。本になってる方は途中をざっくりカットしてるんですが、当初はこんな感じの展開を考えてました。こっちのが昼ドラちっくですかね。ネタ段階なので文章ぶっとんでるとこもありますのであしからず。
 ……って、このネタ前に公開してたりしない…ですよね? あれ?
 

*











「教授が……エイフマン教授が……っ!」
 愛しいその人の声は、しかし今は悲壮に彩られていた。
 無惨な地上の様に否応なしに気は焦る。
 なにがあった。なぜこんなことに。
 息も絶え絶えにグラハムへと通信を寄越した彼は、ビリーはどうなったというのだ!
 無理矢理に緊急着陸をして、グラハムは本部に降り立った。







     さよならを、教えて。







 新型のガンダムによるMSWAD襲撃後、グラハムらオーバーフラッグスのメンバーの他、タクラマカン砂漠の作戦から帰還した軍人たちは、作戦の疲れもそのままに生き埋めになった人々の救出や瓦礫の除去作業に従事した。
 ビリーは救出されたのち、すぐに近くの民間の病院に入れられた。全治3週間の怪我だというが、なかなか意識が戻らなかった。襲撃に遭った4日後にようやく意識が戻るも、襲撃の際に受けた衝撃を受け入れきれないのか、目覚めれば錯乱し鎮静剤を打たれるということを繰り返しているらしい。
 グラハムは時間を見つけては病院まで足を運んだが、まともに顔を合わせられたのはビリーが眠っているときばかりだった。

 最愛の人と敬愛する人を失ったのだ、その悲しみはグラハムにもわかる。けれど、いつまでも悲しみに沈んではいられない。グラハムはビリーは生きているのだ。生きて、まだここにいる。だからこのままでいていいはずがないのだ。絶望の淵から這い上がり、起きあがらなければいけない。だから、生きろ。目覚めて、そして立ち上がれ。

 グラハムはビリーの右手を手にとった。指を絡めるようにして両手で包み込む。ただ祈るように、目を閉じる。
 そろそろ戻ろうかとグラハムが立ち上がり最後にビリーの顔を覗きこんだとき、ビリーの目が開かれる。
「カタギリ、私がわかるか?」
「……グラハム……」
 ほっとするグラハム。しかしビリーは、ぼんやりした瞳でグラハムを見つめ、しばらくして眉を潜めた。
「……きみは、だれ?」
「なにを云っている、今私の名を呼んだだろう!」
「……グラハム」
「そう、グラハムだ。私はグラハム・エーカーだ」
「グラハム・エーカー……?」
 会話が噛み合わない。怪訝に思ったグラハムは状況を整理すべくビリーに質問する。
 そうして知る。ビリーの記憶は部分的に欠落しているということを。一般常識や知識は残っている。ユニオンやMSWAD、そしてフラッグのことも。一時的な記憶障害。その原因は明らかだ。

 ジョシュアのこともエイフマン教授のことも、ビリーはすっかり忘れている。けれど不思議なことに、彼はグラハムの名前と顔だけは覚えているのだ。他の皆と同じようにグラハムに関する記憶も失っているくせに、彼はグラハムの顔を見ては安堵したように微笑み、その名を呼んでみせるのだ――。





 身体が熱い。じわりと湧き上がる衝動に、グラハムは理性を総動員させていた。
 欲情、している。欲情しているのだ、ビリーに。しかしそれは致し方のないことではないだろうか。想い人が、自分の姿を見ては安心したように微笑むのだ。純粋にただ、表情を綻ばせて自分だけを見上げてくる無防備な姿をさらされて、なにも思わない男などいるはずがない。














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 こっちのがグラハムさんが熱い感じですね。ビリーさん押し倒す勢いどころか、ビリーさんにひたすらに熱く訴えかけるような人になっちゃってたみたい…。こっちのグラハムさんで書いてたら、ビリーさんとの結末はもっと違ったものになっていたと思われます。

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2009/08/20 22:58 | Comments(0) | 語りとか

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