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2024/05/11 21:49 |
●世界中の誰よりきっと(初稿?)
 3/2ダブルアタック新刊『世界中の誰よりきっと』用のネタメモで、冒頭部分と思われるものが発見されたので置いてみます。没ネタというか、本文に手をつけた段階ではこのメモのことをすっかり忘れていて(笑)、気付いたのはまさにダブルアタック当日だったというあれなんですけど。

 当初の予定では、14歳だけどいかにもグラハム!って感じっぽかったんだねー…と自分でしみじみ。

 実際の本ではまだグラハム節炸裂とまではいかなくて、12歳グラハムを少し引きずってるかなーくらいの小さなグラハム。それでもやってることは同じな段階で、流石グラハムって感じですが。


 メモなんで会話と地の文に偏りがありますのであしからず。
 あと、上記にもありますようにこれはあくまで没となったネタメモであり、『世界中の誰よりきっと』本編のサンプルではないのであらかじめご了承ください。


*



「宇宙の話を聞かせて」
 あの頃の彼は本当に可愛くて可愛くて、まるで天使のように愛しいと思っていた。
 とても素直で愛らしくて、なによりも誰よりも大切にしたいと思っていたのに。



「今日はまた随分と遅起きだな、ビリー」
「……昨日は遅くまでレポートを書いていたんだよ」
「そんなことは百も承知だ。部屋の電気がついていたからな」
「電気って……君、起きてたのかい?」
「それはトップシークレットだと云わせてもらおう」
「……ま、いいけどね」
 グラハムのことがよくわからないのはいつものことだ。おかしいな、出逢ったばかりのころはあんなに素直で可愛かったのに。
 ――というか。とにかく疑問なのだが、どうして今こんな体勢になっているのだろう。
 つまり、ベッドで眠るビリーの腹の上にグラハムが跨っているのだ。
 体重をかけないよう気を遣ってくれているのか、重みらしい重みは感じない。
 しかし楽しげに見下ろされるこの状況は不自然の一言に尽きる。
「ほら、早く起きろよビリー。せっかくのブランチが冷めてしまう」
「君が作ったの?」
「母さんと父さんは、今日は朝からデートだ」
「……ああ、なるほど」
 グラハムは本当に大きくなった。いや、実際はさほど大きくなってはいないのだが、眠れずにビリーの部屋を訪れていた小さなグラハムはもういない。
 あの可愛い子が大きくなってしまうことには多少なりとも寂しさを感じるが、ひとりでうずくまっていた子どもがひとりでなんでもできるようになったという事実は単純に嬉しいものであった。







 ちなみにビリーさんは、このメモでも本編でもやることなすことはさほど変わりません。グラハム可愛い可愛いって云いすぎ。……だっから甘すぎるって云われるんだよビリー…!(笑)
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2008/03/04 21:10 | Comments(0) | 義兄弟グラビリ

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