どうしてそこにいるのか、自分でもわからなかった。
文字通り、自分を見失っていたのだとと思う。
リーサ・クジョウ――スメラギと言葉を交わして、かつて叔父が語り自分も一度は賛同した理想を語り――不可思議な光にのまれた。
スメラギの「ごめんなさい」という言葉が頭に響く。
ああ、自分はやはり彼女が好きだったのだ。好きだからこそ、離れても密かに想い続けていたし、ボロボロになった彼女の傍で二年間も甲斐甲斐しく世話を焼いていたし、彼女がCBだと知って裏切られたと感じ憎みもした。
CBがエイフマン教授やユニオンの仲間たちの仇であると同時に、彼女を信じていた自分の想いも裏切ったのだ。
だから許せなかった。許せない想いを風化させないようにひとりで抱え込んで、そうして復讐心を逃さずにいた。そうでなければ、楽な方へと流れてスメラギをCBを憎む想いを忘れてしまう自分を知っていたから。
そうして、復讐心ばかりに目を向けていた自分は、結局のところ我を失っていたのだ。
――それゆえに、気づかされた。あの不可思議な粒子の中で。
元はといえば、自分のちっぽけな片想いから始まったのだ。小さな初恋を大切にし過ぎて、未練が残っていないようなふりをして格好をつけて、そうして本質を見失った。
今更になって気づいた。気づくのが遅すぎた。ここにくるまで、ビリーは多くの罪を重ねてしまった。もっと早くに気づいていれば避けられた事象もあったはずだ。失われずにすんだ命も、きっと多くあったはずだった。
っていうのを入れようと思ったんですけどね。なんか入れられる雰囲気じゃなくなったのでざっくりカット。そして再利用(?)。
多分グラビリ8割くらいの話ならこれでもよかったんだけど、今回は終盤の各陣営飛び回ってる頃のビリーさんを場面ぶつ切り的にがつがつぶっこんだような感じなので、初恋に心を馳せる余裕なんてなかとですよ。なんというか色々ぐるぐる矛盾たっぷりなビリーさんです。でもあの当時の矛盾っぷりは多分自分でもわかってるんだと思うんだよね。わかってて、だけどどうにもならなかったんじゃないかと思う。無論なんとなく。
そういうぐるぐるっぷりをうまく表現できればいいんですが…。
*
「君には感謝しているよ」
つとめて柔らかくそう告げると、スメラギはほっとしたような笑みを浮かべた。
告げた言葉は決して嘘ではない。全てが事実で、確かに間違ってはいない。――そんな自分に吐き気がした。
実際にはこんな展開になります(笑) でもスメラギさんの登場はここまで。
「君には感謝しているよ」
つとめて柔らかくそう告げると、スメラギはほっとしたような笑みを浮かべた。
告げた言葉は決して嘘ではない。全てが事実で、確かに間違ってはいない。――そんな自分に吐き気がした。
実際にはこんな展開になります(笑) でもスメラギさんの登場はここまで。
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